手で自転車を押しながら横断歩道を渡っている人

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歩道橋の上から下を見ると、人が作った可愛いミニチュアセットの様なビル街が見えていた。

いや、実際にも、幾つかの横断歩道のストライプ模様や、道路に沿って描かれた白線や文字の風景は自然に出来たものではなく、人の手によって描かれたものなのだ。

このセットの中には、時々人や車が通りかかっていたのだけれど、気が付くと、自転車には乗らずに手で押しながらこの辺りを行き来している人がいた。

時々立ち止まりながら、遠くへ行ったりしていたけれど、彼がちょうど真下の横断歩道のストライプの上へ来た時にこのセットの中に不思議なハーモニーが生まれたようだ。

三つ見えている横断歩道の一番遠くの横断歩道を背景には一人の歩行者が通りかかっている。
その近くの横断歩道には一台のタクシーが右折しているところだ。
とすると、もし、自転車の彼はそのようは状況のタイミングを計って今横断歩道を渡っているのだとしたら、それは誰かの指示があったのだろうか？

そういえば、私も彼がいい場所へ来るのを期待して、テレパシーを送っていたような気も？

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